「歩いて治す膝痛」

 新聞の書籍広告欄を見ていると、目を惹く文字が。

「歩いて治す膝痛」

山と溪谷 という雑誌の2024年3月号のタイトル。

日ごろ、ひざの症状でお見えの方で、御趣味の登山、トレッキングや田畑の農作業から山林に分け入っての草刈りや携帯基地局設置場所探しのお仕事、はたまたゴルファーといった、足場の困難さは強弱あれど「自然を踏みしめること」をもっぱらとされている方々がたくさんいらっしゃいます。

ゴルフ場の、比較的多くの人が対応できるだろうと見越して人為的に作られた程度の斜面でさえ、斜面なりに立つとひざに負担を感じます。

元々ひざに何か不安をお持ちの方がそうした自然の容赦ないアップダウンを踏みしめる事で、ひざの症状惹起につながった事は容易に想像できます。

人目を引く雑誌タイトルですが読んでみると、「ひざの痛みを引き起こしにくい自然環境の歩き方と予防的にすべきこと」の解説に多くの誌面が割かれている印象。私と同じ整形外科専門医の先生によるひざの構造の解説などあり、なかなか読み応えありました。

じゃあひざに負担がかかりにくい歩き方ってなんなん、です。

記事の中では、緩斜面、急斜面、段差の有り無し、岩の多いシーンなど、それぞれアップダウン別でこと細かに推奨される歩き方が写真つきで書かれており、詳しくは雑誌買って読んで下さいって事ですが。

かいつまんで言うと

推奨される歩き方全体に通じる精神としては

①(大なり小なり背中に荷物を背負っている事が多く)前かがみになりがちなので、上半身を起こした姿勢を取ること(上半身を起こそうと意識すること)が望ましい。反り過ぎもNG

→重い頭が体軸上にある事で転倒の予防にもつながりこれは良い心掛けと思います。

②前脚を踏み出す時、太ももを上に引き上げる意識を持つ。

後ろ脚のひざの曲げ伸ばしにアクセントをつける意識(登りでは伸ばす、下りでは充分曲げる)

→私もそうですが、中高年になると歩行の際に脚を上げてるつもりでも以前より上がってなくて、結果的に些細な段差でつまずいて大ケガの元になる場合もあるので、そうした転倒の予防にもこれ大事ですね。

③前脚をついたら、ちょっと不安定になった姿勢を、①②の意識をしつつ体軸がまっすぐになるよう立て直し、次のステップへ

④トレッキングポールなど補助具を適切に使う(私見ですが、ゴルフラウンド中の斜面を歩く際に不安があればクラブを杖代わりにしても良いと思います)

といったところでしょうか。

文字づらでなんのこっちゃイメージが湧かない方は是非この雑誌買ってみて下さいね

(※凍結路などの滑りやすいシーンでは、やや前かがみで小刻みな歩き方が望ましい歩き方とされておりこの通りではありません)

あとは、ひざを支える太ももまわりのいろいろな筋肉のストレッチや筋トレの仕方が、あらかじめしておきなさいよと言わんばかりに書かれており、結局はそらせや、日ごろからやっとかなあかんわなという事ですね。

みなさん頑張りましょう!

では。