ゴルフが原因で起こる運動器の痛みを「ゴルフ障害」と呼びますが、肩の痛みを訴えてこられる方もしばしばお見受けします。
中年以上のご年齢の方でもともと、ささいな痛みから肩を動かさなくなり、次第に筋肉が固くなって肩(腕)が上げれなくなった所謂「五十肩」(肩関節周囲炎)と呼ばれる状態をお持ちの場合があります。この場合は、先ず肩のまわりの筋肉を緩め上げやすくしてゆくリハビリを始めてゆく必要があります。またその動きを良くする補助としてヒアルロン酸の関節注射をすることもあります。
それに対し、もともと痛くなかった肩がゴルフを盛んにされることで痛み始めた場合についてこれから述べてゆきます。
肩を上げる筋肉は、「三角筋」という表面から触りつかめる筋肉と「腱板」という肩甲骨の端(肩の角っこに触る部分で「肩峰」と呼ばれます)と上腕の骨にはさまれた位置にある筋肉の二重構造になっています。
バックスイングのトップのときやフォロースルーからフィニッシュのときには、肩関節の中では肩峰と上腕骨の間がスイング動作中で最も狭くなっています。その際、腱板がうまく縮んで骨と骨にはさまれないように正常に動いていればよいのですが、人によっては腱板がモロにはさまれてしまっている方がおられます。 この腱板がはさまれる状態を「インピンジ」といいます。
このインピンジを繰り返すと腱板の炎症を起こしたり、腱板が傷んで遂には擦り切れたり(腱板断裂)して、肩の痛みや引っかかり感の原因となることがあります。
また、インピンジやその他の原因でも肩の痛みを来す原因として、肩関節のすそ野とも言える場所の筋肉、前側なら胸の筋肉(大胸筋)や後ろなら肩甲帯と呼ばれる肩甲骨まわりの筋肉が固いため、もっと広い範囲ではバックスイングで上半身を充分まわすための背骨(胸椎、腰椎)がねじれる動きが固いことも関わって、肩関節がその動きを補うために負担がかかり前記の痛みの原因となっている方もお見受けします。
肩の痛みは局所のみならず、骨盤から上の上半身全体の動きの悪さが原因となっている可能性がありますので、やはり一度医療機関の受診をお勧めします。
当方、ゴルフの指導はできませんが、ゴルフ障害の指導ならばできますのでぜひどうぞ。