書評:掛布雅之さん著「掛布の打撃論」を読む

「ミスター・タイガース」のお一人、掛布雅之さんが書かれ上梓された「掛布の打撃論」を読みました。

私の父親は阪神ファンだったので掛布さんは子供の頃からお馴染みの方でしたが、取り立てて野球をするでも観るでも無い私がこの本に惹かれたのは、

「レベルスイング」という言葉。

打つべきボールを一番確率高く捉えられるのが、腰、肩、膝のラインを地面と平行に回すレベルスイングと唱えています。

野球をする方のために打撃と関連してまずキャッチボールをはじめ投球の大切さが書かれているところは私は野球を嗜まないので正直よくわかりませんでした。また掛布さんが師事された方、現役当時の同世代の方々やイチローなど下の世代から、阪神の佐藤輝明選手ら今の現役選手の打撃に関する言及などは(あーそーなんだー)という感じでした。

共感できる言葉をいくつか挙げると

「体をきれいに回転させるために意識しなければいけないのが、首から背骨の一本軸となる回転軸です。」

「少しアゴを引いて背骨の上にしっかり乗せることで、1本の軸ができます。」

「肩、腰、膝をグラウンドと平行(レベル)に回転させます。ここがぶれると、体は真っすぐ回転できません。」

「最短距離で捉えるにはバットのグリップエンドから」

「体の回転に従ってフォロースルーをとると、自然と手首が返るという感じです。なるべく手首を返さず、どちらかというと押し込むイメージです。手首は返そうとしなくても、ボールを捉えた後に自然と返るので、あまり意識しないほうがいいでしょう。」

「インパクトゾーンではレベル(地面と平行)になりますが、最初はダウンから始まります。構えた位置からヘッドの重みを利用しながら打ち下ろします。それと同時に体をレベルに回すことでスイング軌道もレベルに入っていくわけです。  インパクトでボールを捉えたあとは自然とアッパーの要素も入ります。」

「ボールを長く見て強く捉えるためには、レベルスイングが有効」

私がしてるゴルフスイングは地べたの玉を打つため、クラブの軌道がスイングプレーンという円弧の面を構成するという考えで

腰の高さを飛んでくるボールを打つバットスイングとはちょっと違うのですが、 

「首から背骨を回転軸として意識しつつ肩、腰、膝をグラウンドと平行(レベル)に回転させます。」

という一番肝となるこの部分は共感します(ただゴルフスイングは上半身を前傾した姿勢で行うため、肩については背骨を中心軸として回ると地面と平行にはなっていませんが)

私は正式なゴルフスイングの伝道者ではありませんので、正確ではないかもしれませんが、近年の特に一般アマの使うようなゴルフクラブの設計は特にアイアンのクラブは、昔のような過度のダウンスイング(ゴルフの場合「ダウンブロー」と呼ばれる)、を打ち方で求めない(=レベルブローで良い)仕様となっているようです。

掛布さんも、野球の打撃において原則的にはダウンスイングや、またアッパースイングもたしなめる言及をされています。

またメジャーリーガーの打ち方で多い印象のアッパースイングは、近年の「バレルゾーン」と呼ばれるやや上向き方向への打球が最もヒットの確率が高くなるというデータに基づいての傾向だと述べられています。

この書は決して身体の運動生理学的な視点で論じている訳ではなく、掛布さんがこれまで体験し感じ考えていることを掛布さんの言葉で表現されているものです。感覚的な表現も多く全体を通し口述筆記の雰囲気も多々感じるものの、よくよく考えると私の知る限りで長嶋、王クラスの球界のレジェンドの方々で、自身の打撃論をこのように章立てて正式に書き下したものは見たことがなく、そうした意味で興味深くまた価値ある書だと思いました。

すぐに謝れないボク

 お店とか公共の場のトイレの出入りでドアを開ける際に、向こうから私と反対に行こうとする人と鉢合わせする事があります。

 そんな時に即座に「ごめんなさい」とはっきり謝られる方をちょこちょこお見かけします。正確に記録している訳ではありませんが、年齢はだいたい30代から50代の私の年代くらいまでで、よき社会人・家庭人であられるっぽい雰囲気の方が比較的多いように記憶してます。

 私の方はというと、私が開けた扉が相手と接触したり危うく当たりかけたくらいの時に節目がちにモゴモゴ「すいません」という程度。

 先程こういうシーンであまりにも清々しく謝られた方と出くわしてしまい、こんな際はどうするのが適切かとふと考えさせられました。

 この場合、トイレの出入りの相手方の歩みをお互いが止めてしまったことになるので、扉がぶつかるぶつかってない関係無く双方が互いに謝るのがよいのかなと思い至りました。

 他人の気を止めるような事をしたら、相手の目を見て「ごめんなさい」とすぐ言える人、カッコいいですね。見習わねばなりませんね。