元阪神タイガース在籍の藤浪晋太郎投手のメジャーリーグでの活躍が、話題となっています。
MLBで当初入団のオークランド・アスレチックスからボルチモア・オリオールズへ移籍後の活躍は、ファンの方ならよくご存知と思います。
藤浪投手自身の努力もさりながら、活躍の理由として両球団の起用方針と指導法があげられています。
現在籍のオリオールズのクリス・ホルト投手コーチの指導について興味深い記事がありました。
藤浪投手の阪神在籍中の制球難はよく知られているところです。
ホルト投手コーチの制球の指導は単純で、ストライクゾーンを意識するというよりも、何かターゲットを決めてそれを目掛けて投げるというのです。例えば捕手のプロテクターの胸にあるナイキのスウィッシュマーク、あるいは捕手の膝の部分などわかりやすい的を決めて投げさせるとか。
むろんそんなシンプルな指導で、球速100マイル(約161キロ)超えの速球を投げ、メジャーで役割が果たせているのは、本人のポテンシャルも大きいのでしょう。
この記事を読んで、「目標をよく見ること」の大事さで思い出すことがあります。
私が大昔に受けた自動二輪の教習で、並べたパイロン(コーン)の間を左右にバイクを傾けつつ交互に避けながら進む「スラローム」という課題があります。
教官からは「(避けるべき)パイロンを見ちゃいかん、自分が進む方向を見なさい」と事前に聞いてました。でも初めての練習では、やっぱりその避けるべきパイロンが気になって目がいっちゃってるんです。するとバイクも自然にパイロンに向かってしまい衝突→教習中止!
その時、ヒトはじっと見たところにからだは向かうんだなと初めて実感しました。
最近だと、ゴルフを師事する方から「打つ前に、自分がボールを落としたい落下地点(キャリー)を『ここに落とす』と決め、その『落としどころ』をよく見てから打ちなさい」と言われます。
フェアウェイのどっか真ん中らへんに落ちればいいやと漠然とグリーン方向を眺めて打つより、自分が落下させたいと願う地点をピンポイントに見定めて打つ習慣をつけていく方が、ボールコントロールがつきやすいのだそうです。
ゴルフの方はまだなんとも効果の程はわかりませんが、藤浪投手のコーチの(漠然とした)ストライクゾーンの意識ではなく決めたターゲットを目掛けて投げる指導法の記事を目にして、昔のバイク教習のエピソードと相まって
自身や自身の行為が向かうべき(向かいたい)目標をよく見て(凝視して)からアクションする
ことが、大事なのかと思い至ります。逆に言えば、ターゲットゲームなど目標をよく見定めるべき場合でも、実際にはまわりに気が散ったりして肝心なとこをよく見ていない事が多いということなのでしょう。
それにしても藤浪投手の今後に目が離せませんね。頑張って欲しいです。