④片松葉杖の使い方
どちらか片脚を骨折などして完全に浮かさないといけない時は、両腕で2本の松葉杖の操作が要りますが(両松葉杖歩行)、打撲や捻挫などで杖なしだとちょっと不自由といった程度の場合に補助的に松葉杖1本だけ使うケースもあります(片松葉杖歩行)。
私が昔整形外科専門医の試験勉強をしていた時の問題集では、片松葉杖は「ケガをしている(かばいたい)脚と反対側の腕で操作する」のが正しいとされていました。
それは、ケガした脚を前につく時に反対側の松葉杖も同時に前について、身体の左右でバランスよく体重を半分ずつに振り分けて支えられるからという理屈だからです。
しかし、ご年配の方がT字型の杖をご自身で持たれ使われている場合なんかもそうですが、打撲などのケガをされた一般の方に、ご希望に応じて松葉杖を1本お貸しすると、多くの方はまずはケガをされた脚の側の腕で持って使い始められます。
かばいたい脚の側に補助具を持ってしまうのはヒトの本能なのかなと思ってしまいます。
そう考えると正直なところ、片松葉杖は「自分がより安心できる方の腕で持って使う」のが正しいのかなと思うところです。